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18.01.29 大学職員への転職活動はどの程度の長期戦を覚悟しておくべきか

己を知るは孫子の兵法⇒ 《市場価値診断テスト》

大学職員への転職を検討されている方の中には、これが初めての転職活動だという方も少なくないかと思います。暗中模索の手探り状態でエントリーシートを書き、見事に書類選考を突破すれば、複数回の面接を経て、内定へとつながるわけですが、なかなか1ヶ月や2ヶ月で内定を獲得できるほど容易いわけではありません。

大抵の方は応募書類を作成するのに1校あたり最低でも2週間はかかっているかと思います。在職中の転職者であれば土日のみ転職活動に充てられるとして3週間はかかるでしょう。
せいぜい2000字程度の作文ではありますが、いざ机に向かってみると、そうサクサクと筆が進むものではありません。2時間で5行程度しか進まない、ということも珍しくはありません。
志望度合いによって力の入れ加減を調節したとしても、1度に掛け持ちできるのは2校が現実的、どう頑張っても3校が限界というところかと思います。

以下のデータは一般的な転職活動における転職決定者の平均応募社数です。データはリクナビネクストとリクルートエージェントのサイトから拝借したものですので、あくまで全業界の平均値であることをお断りしておきます。
リクナビネクストのデータによれば平均応募社数は18社とのことですので、同時掛け持ちが3社(校)ということであれば、1サイクルの応募に1ヶ月はかかるとして、内定まで最低6ヶ月は必要となる計算です。
ただし、公募を行っている大学の数には限りがありますから、いわゆる「弾切れ」を考慮すると、もう少し長期戦を覚悟しておいた方が無難かもしれません。

転職成功者の平均応募社数は18社(出典:リクナビネクスト)

内定を得るまでに何社に応募した(出典:リクルートエージェント)

私自身の体験談としては、最初の大学に応募書類を提出してから2ヶ月程度で内定を獲得しました。ただし、書類作成の期間を含めると3ヶ月から4ヶ月くらいかかっているかもしれません。
この期間、週末はほぼ転職活動に費やしました。4ヶ月もの間、貴重な週末を内定可能性の低い転職活動に費やし続けるのは、在職中の転職活動者にとって精神的にとても辛いことです。私もこれ以上長期化していたら、志半ばで転職を諦めていたかもしれません。

転職活動がどれだけ長期化するかは個人差があるかと思います。内定体験記の中で「大学職員の公募は順番待ちではない」と書きましたが、受け続けていれば内定が出るというものではありません。
最初は誰しも転職初心者ですが、面接を10回程度こなしているうちに、だんだんとコツがつかめてきます。自己紹介で躓かない工夫や志望理由を淀みなく語る工夫など、多くの改善点に気づくことでしょう。そこが内定獲得に向けたスタートラインですから、そうした「内定力」をどれだけ早期に身に付けるかが重要であり、転職活動が短期決戦になるか長期決戦になるかの分かれ道です。


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17.03.13 大学選びの一参考として ~私立大学等経営強化集中支援事業~

転職は自分探しの旅路です⇒ リクナビNEXT

3月7日に文部科学省が平成28年度「私立大学等経営強化集中支援事業」の選定校を発表しました。
私立大学等経営強化集中支援事業とは、「18歳人口の急激な減少を見据え、大学内・大学間でのスピード感ある経営改革を進め、地方に高度な大学機能の集積を図る地方中小規模の大学等を支援する」ことを目的とする補助金です。
この補助金の申請条件を確認していくと、経営基盤の不安定な中小規模大学、そして、すでに経営困難に陥りかけている大学が浮かび上がってきます。
複雑な内容ではありませんが、行数が長くなると思われるので、ご関心のある方は続きをご覧ください。
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16.12.23 早稲田大学の事務職員採用における傾向と方針についての一考察

10分前でも間に合う面接対策⇒ 第1回 面接を商取引の場に変える

大学業界で常に話題に事欠かない早稲田大学であるが、同校は創立150周年構想(Waseda Vision 150)の実現に向けて、事務職員の採用活動にも意欲旺盛に取り組んでいる。そこで今回は、過去の採用実績などから、早稲田大学の事務職員採用(既卒者対象)における傾向や方針について分析してみたい。

まずは過去の採用データからおさらい。下記は2010年以降の既卒者採用数。

- 早稲田大学事務職員(既卒者)採用実績
2014年4月 9名
2013年10月 1名
2013年4月 4名
2012年10月 6名
2012年4月 9名
2011年10月 1名
2011年4月 7名
2010年10月 9名
2010年4月 8名

上表にあるとり、早稲田大学は毎年4月と10月に事務職員の採用を行っている。
年度によってバラつきはあるが、早稲田の事務職採用は新卒の方がやや多め。毎年、既卒・新卒あわせて20名以上も採用している。新卒データについてはこちらをご覧あれ。
専任職員数が約800名、定年が65歳なので、欠員募集だけでそのくらいの人数になる。ちなみに社員数800名というと、東京ドーム(822名)とほぼおなじ規模。

また、採用実績の中で気になるのが赤字部分。2011年と2013年の10月採用では、わずか1名しか採用者がいない。その理由は新入職員の配属先部署を調べれると分かる。下の一覧は、2010年4月以降に既卒で採用された方々の配属先部署である。2011年及び2013年の10月採用者はそれぞれ保健センターとキャンパス企画部企画・建築課に配属されているため、それぞれ専門職(建築士・看護師等)を対象とした1名枠であったのだろう。

- 新入職員(既卒者)の配属先部署
2013年10月
キャンパス企画部企画・建設課
2013年4月
研究推進部研究支援課、国際部国際課、商学学術院、社会科学総合学術院
2012年10月
教務課、人事課、募金課、理工センター研究総合支援課、教育・総合科学学術院、商学学術院
2012年4月
入学センター、経理課、法務研究科・法務教育研究センター、文学学術院、商学学術院、理工センター研究総合支援課、理工センター教育研究支援課、エクステンションセンター、保健センター
2011年10月
保健センター
2011年4月
先端生命医科学センター事務所、政治経済学術院、商学学術院、理工センター教育研究支援課、社会科学総合学術院、所沢総合事務センター学務課、メディアネットワークセンター
2010年10月
入学センター、学生交流企画課、給与厚生課、財務課、戸山総合事務センター、理工センター研究総合支援課、社会科学総合学術院、図書館利用者支援課、メディアネットワークセンター
2010年4月
教務課、産学官研究推進センター、商学学術院、理工センター総務課、理工センター教育研究支援課、国際教養学部、メディアネットワークセンター

上記の配属先一覧を見てのとおり、既卒者の半数が学術院をはじめとする教務関連部署に配属されている。あくまで推測だが、専門スキル人材が教務関連に配属されるとは考えづらい。すなわち、早稲田の既卒者採用の方針はジェネラリスト採用、ポテンシャル採用ということだろう。何か特別な資格やスキルが無いからといって怯む必要は無い。

ちなみに私の勤務校の場合、既卒者の半数を教務に配属するなど考えづらい。よほど早稲田は教学に手厚いのだなというのが率直な感想。
「学術院」とは耳慣れないことばだが、2004年度の改革で従来の教員組織(学部・研究科・研究所)を系統別に組織化したものだ。例えば、政治経済学術院には、政治経済学部・政治学研究科・経済学研究科・公共経営大学院・現代政治経済研究所が属している。
事務職員も教員と同様に学術院への所属となるようで、早稲田は以前から学部事務制をとっているはずだが、学部担当者と大学院担当者が別々でいるよりも、一体的に運営するメリットは少なくないと思われる。

最後に、早稲田と言えばWaseda Vision 150(以下、WV150)だが、WV150実現に向けた事務職員の育成方針についてもホームページに公開されている。その中で、特に目を引くものを抜粋したのが以下。

- WASEDA VISION 150 の実現に必要となる能力の開発を行う
【目指す姿(20年後)】
全職員が修士、博士あるいは高度な専門資格を取得し、高いマネジメント力・専門性を活かして、教員と連携しながら大学運営・人材育成等を行っている。
全職員が TOEIC800 点以上相当の英語、中国語あるいは朝鮮語能力を習得し、複数の外国語を駆使しながら、グローバルに貢献・活躍している。

これほどのスペックを全職員に求めるということに驚く。国際的教育機関の名に恥じないスタッフを育成するという意欲の現れだろう。言うだけでやらなければ嘘つき八兵衛なので、ホームページ公開は本気の現れだと思う。機会があれば早稲田大学院で学ぶ事務職員の数などを聞いてみたい。
この目標を達成するための手っ取り早い方法は、修士持ち・TOEIC800点持ちの人材を採用することだ。上述のとおりジェネラリスト採用が基本だと思われるが、これらの要件を満たす応募者が有利となることに疑いを入れない。
その他、WV150では女性職員の比率向上も目標としているため、同じ能力ならば女性有利となる可能性もある。

関連リンク
早稲田大学:職員人材育成について

16.12.14 AERA「大学職員って今も勝ち組?」に関する読後感と考察


AERA(2016年12月19日号)の大学特集「稼げなければ生き残れない」の中で、「大学職員って今も勝ち組?」と題した記事が掲載されておりましたので、ところどころ抜粋しつつ読後感に一考察を加えてまいりたいと思います。

大学職員って今も勝ち組?

「40歳で年収1千万円超。定時勤務で休みも取れる。そんなイメージがあった大学職員というお仕事。今、そんな現場に変革の嵐が吹き荒れている。」という導入で記事は始まります。

なるほど、たしかに、少子化による受験生減少(いわゆる2018年問題)が目前に迫る中、補助金運営を通じた行政主導の教育改革や、法科大学院の一方的な制度改正など、とりわけ私立大学は「往復ビンタ」のような厳しい環境で、1年1年を慎重に乗り切らねばならないという緊迫感があるのは事実です。「変革の嵐が吹き荒れている」という表現はさすがに大袈裟だと思いますが、様々な環境変化に粛々と対応できない大学は、座して死を待つような状況に追い込まれるでしょう。

とはいえども、少子化という根本的な問題には打つ手が無く、現場には何もできない自身の無力感と、何もしない(ように見える)同僚たちへのフラストレーションが蔓延しています。
わたしの周囲でも「ウチの教職員にはまったく危機感が無い」という不満の声をよく耳にしますが、そう言っている「自称革命分子」たちも、その大半は危機感をつぶやくことで責任を果たしたかのような顔をしているだけなのです。

大学職員は勝ち組か?と問われれば、50代以降は勝ち組として逃げ切り可能でしょう。賃金は大学によって2倍ほどの格差があると思いますが、安定雇用という意味では勝ち組です。40代以下の世代では、大学の二極化が進むことにより、優勝劣敗が明確になるでしょう。あと10年もすれば、文科省が自然淘汰にゴーサインを出すのではないか・・・というシナリオも覚悟しなくてはなりません。

転職組は「バリキャリ」職員なのか?

記事で紹介されている私大職員の女性(37歳)は、学生時代にアルバイトをしていた大学図書館の「大学らしい(のんびりした)」雰囲気に引かれて新卒で就職した。しかし、配属先の課長は当時は珍しかった企業出身の職員で、「定時で帰れることはなく、あらゆることにダメ出しをくらいました。いわゆる『しごき』だったのかもしれません・・・」と語る。(要約)

このくだりを読むと、「生え抜きのプロパー上司はマッタリで、転職組の上司は厳しい」というような印象を持たれると思いますが、わたしの経験上、むしろ人当たりが厳しいのはプロパー上司のほうです。パワハラ系の管理職は、ほぼプロパーです。
当たり前のことですが、転職組は周囲の人間関係に非常に神経を使います。まずは周囲と良好な関係を築けなければ、大学事務局という小さなコミュニティの中で居場所を失います。仕事ですから厳しい指摘も必要でしょうが、それを正論たらしめるのは周囲からの信頼があってこそです。パワハラについても同様で、自分を擁護してくれる人間関係を持っていなければ、そのうち自分に鉄槌が下されます。
転職者はブルドーザーのように現場をかき乱すのではなく、既存の人間関係を観察しつつ、器用に立ち回っていくタイプが多いのではないかというのが実感です。

仕事を「なんとなく」覚える時代は終わる

任期付きで働く別の職員は、前任者との引き継ぎは1日だけ、前任者が残した10ページのメモだけが頼りだった。「せめて任期をずらして2人に増やしてもらうことはできないのか」と語る。
ある新人職員は入職1年目で補助金申請業務を担当したが、仕事が思うように進まず、泣きながら働いていた。「学部のことを理解していなければ務まらない。新人がやれる仕事ではなかった。」ということに気づいたのは、かなり後のことだったという。(要約)

大学事務の仕事は、必ずと言っていいほど、仕事の結果が書面に残ります。仕事の完成形が明確なので、過去の資料に目を通せば、感覚的に手順を習得できてしまうことも少なくありません。ある程度の経験を積んだ職員であれば、手取り足取り指導を受けずとも、新しい業務に対応することが可能でしょう。
しかし一方で、近年、単純作業とは言えないような業務が確実に増えてきています。担当者の手腕により結果に差が出る業務、具体的には、学生支援や研究支援、IRなどの領域です。そのような業務では、前任者から後任者にノウハウが引き継がれないと、仕事の成果がガクンと落ちてしまいます。

また、多くの大学で非正規雇用の大学職員が増えてきています。大学は職員数に応じて国から補助金を貰えますが、専任でも契約でも補助金額は同額なので、国が非正規雇用を後押しするような状況となっています。非正規雇用は今後も、増えることはあっても減ることはないでしょう。
こうした状況にあっては、業務のマニュアル化や引き継ぎに本腰を入れて取り組まないと、定型的なルーチン業務ですら崩壊しかねません。

なお、記事の原文は下記サイトでも公開されています。

大学職員というお仕事「勝ち組」今は昔
https://dot.asahi.com/aera/2016121200217.html

16.09.01 内定獲得の天敵、こんな面接官はイヤだ!

天職との出合い系⇒ リクナビNEXT

就職・転職活動を進めるなかで運・不運は付き物ですが、内定獲得を左右する最大の運要素と言えば「面接官との相性」ではないでしょうか。典型的な圧迫面接や底意地の悪い面接官は別として、「こんな面接官は嫌だ」というタイプを、自分自身の経験から振り返ってみたいと思います。

エントリーシートと無関係に話を進める

わたしはこれまで新卒・既卒として多くの採用面接を受けてきましたが、エントリーシートと無関係に話を進められるのが、最もやりづらい面接官のタイプでした。
具体的にどのような話題を振られるかというと、前後の脈絡も無しに「もしも~~だったらどうする?」というように突拍子もない仮定の質問をされたり、また、「将来の夢は何ですか?」というような思いつきベースの質問も困ります。

採用面接というのはエントリーシート(or事前提出書類)に沿って話を進めるのが基本ですし、受験者側としてはエントリーシートを台本とするつもりで面接に臨んでいるわけですから、エントリーシートに書いていないような想定外の質問で奇襲をかけられると本当にペースが乱れます。
その場の機転でソツ無くかわすのが地頭の良さなのかもしれませんが、こうしたタイプの面接官に当たってしまうと、地雷を踏まずに面接室を出られるかは運次第と言わざるをえません。

アピールにならない話題に固執する

特に転職希望者の場合ですと、なぜ前職を辞めるのか(辞めたのか)という質問は避けられないでしょうし、あまり前向きに答えづらい種類の質問がいくつかあると思います。わたしも「いまの会社を辞めるのはもったいない、わざわざ辞める必要はないんじゃない?」という感じで執拗に追及を受けました

そうした情報が採用サイドにとって気になることは理解できますが、どれだけ無難に受け答えをしたところで、これっぽっちのアピールにもなりません。せいぜい20分や30分という限られた時間の中で、志願者は次のステップに進むためのアピールをしなくてはならないわけですから、無益な話題に時間が費やされるのは不利益でしかありません。
あまりに粘着タイプの面接官に当たってしまったら不運としか言いようがありませんが、そのようなケースに対応するための想定問答も用意しておいた方が無難かと思います。

助け船を出してくれない、話を引き出してくれない

面接官の基本的な役割は「相手の良い部分を引き出す」ことだと思っています。採用面接での具体的な行動例としては、言葉に詰まった志願者に助け舟を出してあげたり、アピール材料となる話題を引き出してあげることなどです。それができない面接官は志願者を落とすことはできても、多くの志願者の中から人材を発掘する目利きにはなれないでしょう。

採用担当者向けの面接ハウツー本を読めばそのあたりのことは常識的に書かれているのですが、面接官の多くは関係部署長による寄せ集め部隊であることが普通です。もしも「今日の面接はすごくうまくいった」という手応えが感じられた場合、面接官の手腕による部分も少なくないのではないかと思います。実際に私自身が内定をいただいた大学では、こうした手応えがたしかにあったように記憶しています。

16.08.26 大学職員に「同一労働同一賃金」はありえるのか

気の迷い?それもいいだろう。⇒ リクナビNEXT

8月3日に発足したた「第3次安倍第2次改造内閣」において、現政権でのチャレンジとして「働き方改革」が目標として掲げられました。働き方改革の観点は多岐にわたるのですが、その中で目を引く存在なのが「同一労働同一賃金」の実現です。
正規労働者と非正規労働者の給与格差の問題は、非常勤教職員を多数抱える大学業界においても無関心ではいられません。そこで今回は、立教女学院に対する雇い止め訴訟の判例を紹介しつつ、大学職員に同一労働同一賃金はありえるのかを考える機会にしていきたいと思います。

事案の概要(立教女学院雇い止め訴訟)

当裁判の概要は以下のとおりです。判決文を要約します。

原告は平成13年6月29日から派遣労働者として立教女学院短期大学部事務部総務課で就労したあと、平成16年6月1日から1年間の雇用契約で嘱託職員に採用され、その後2度にわたって契約が更新されたものの、平成19年5月31日をもって以降の契約更新がなされなかった。

原告の請求は以下の2点である。
1) 客観的に合理的な理由のない雇い止めであり、地位の確認及び雇い止め後の賃金の支払いを求める。
2)さらに、専任職員と同等又はそれ以上の業務に従事していたにもかかわらず、その賃金の点で著しい格差があり、損害賠償請求として当該賃金差額相当分の支払いを求める。

判決では請求の1つ目(地位確認と雇い止め後の給与支払い)が認められたため、メディアでは原告勝訴として報じられました。

「理由なき雇い止め無効」元嘱託職員が勝訴 東京地裁(朝日新聞)
http://www.asahi.com/special/08016/TKY200812260292.html

一方で、専任職員との賃金格差については請求を棄却され、認められませんでした。

専任職員との賃金差額相当分の支払いが却下された理由

すこし長いですが、判決文から該当部分を抜粋します。読みやすいよう、多少の修正は加えております。

原告は専任職員と同一又はそれ以上の責任のある業務に従事し、その勤務形態及び業務内容が専任職員と同一であったにもかかわらず、立教女学院は嘱託職員である原告に対し、専任職員と比して著しく低い賃金しか支給しなかったところ、このような取り扱いは、労働基準法が禁止する労働者の社会的身分を理由とする差別的な取り扱いに当たり、また、公の秩序となっている同一労働同一賃金原則に違反すると主張する。

しかしながら、専任職員と嘱託職員という雇用形態は労働基準法の定める「社会的身分」には当たらないと考えられ、このような雇用形態の違いからその賃金面に差異が生じたとしても、同法に違反するということはできない

また、我が国においては、未だ、長期雇用が予定されている労働者と短期雇用が予定されている有期雇用労働者との間に単純に同一労働同一賃金原則が適用されるとすることが公の秩序となっているとはいえない

前述のとおり、立教女学院においては、専任職員は長期雇用が予定されているのに対し、嘱託職員は短期雇用が予定されているところ、専任職員の場合には、長期雇用を前提に、配置換え等により種々の経験を重ね、将来幹部職員となることが期待されており、これを受け、その賃金体系についても、年功序列型賃金体系、すなわち、労働者の賃金がその従事した労働の質と量のみによって決定されるわけでなく、年齢、学歴、勤続年数、企業貢献度、労働者の勤労意欲の喚起等が考慮され、当該労働者に対する将来の期待を含めて決定されている以上、このような観点から嘱託職員の賃金との間に一定の差異が生じることはやむを得ず、原告の主張するような賃金の差異があるからといって公の秩序に反するということはできない。

原告は専任職員と嘱託職員の給与格差について、労働基準法違反、さらに、公の秩序にも反すると訴えましたが、裁判所はいずれの理由も退けました。
このことを言い換えるならば、現在の労働基準法は専任職員と嘱託職員の給与格差を禁じておらず、また、社会通念(人間社会における暗黙の了解事項)にも反していない、ということとなります。
今後、労働基準法の法改正、あるいは、日本社会の労働観が抜本的に変わらない限り、同様の訴訟を起こしたとしても、訴えが認められることは、まず無いでしょう。

大学職員に「同一労働同一賃金」はありえるのか

大学の中では、有期雇用の教職員が多く働いています。従来から多いのが非常勤講師。そして、昨今増えつつある嘱託職員(契約職員)です。

非常勤講師は担当授業で講義をするのが仕事ですから、少なくとも外見上、専任教員と同じ仕事をしています。その一方で、教授会や各種の校務、また、研究活動などは、非常勤講師の業務の中に含まれておらず、さらに、非常勤講師はコマ単価で賃金計算がなされるため、専任教員との処遇の違いについて、単純に比較することはできません。(なお、非常勤講師と言っても、ある大学の専任教員が他大学で非常勤講師として講義を持っているケースもたくさんあります)

一方で、嘱託職員と専任職員の業務の違いは、大学教員ほど明確ではありません。嘱託職員も専任職員も同じ始業時間・終業時間で働き、同じオフィスで机を並べて働いています。当然、ある時間帯に限れば、嘱託職員と専任職員が同じ仕事をしているということもあるでしょう。また、新たに採用された(または他部署から異動してきた)専任職員が、特定業務においてベテランの嘱託職員よりもスキルが劣る、ということもありえるでしょう。
また、専任職員どうしであっても、年功序列による年齢間の賃金格差があります。課長職よりもヒラ職員の方が高収入というケースもザラにあります。この場合、嘱託職員と専任職員の違い以上に、賃金格差の説明は困難となります。
さらに、派遣職員に関しては、仮に全く同じ仕事をしていても、派遣元が異なれば時給も違いますし、同じ派遣元であっても契約時点によって時給が異なるという場合もあります。

上記のとおり、大学組織の中では賃金にまつわる不平等の可能性が多分にありうるわけですが、嘱託職員と専任職員の間で同一労働同一賃金を実現するためには、おそらく専任職員に関する厳密な能力主義給与体系の導入が前提になるのではないかと思います。たとえば、30歳と40歳の2名の専任職員と同じ業務を嘱託職員が担当した場合、どちらの専任職員の給与に合わせるのか・・・というような問題が、いろいろと生じてくると考えられます。もちろんこの問題は、日本の全ての年功序列型賃金体系について、同じことが言えるわけです。

16.08.23 面接試験を気持ちで乗り切るための「3つの勇気」

天職との出合い系⇒ リクナビNEXT

媚びない勇気

面接試験を受ける際、「なんとしても通過したい、させてください」というのが受験者のホンネであることは言うまでもありません。内定を獲得するために、わざわざ忙しい時間を都合して面接会場に足を運んでいるのです。面接官と世間話をしにきているのではありません。

一方で、面接官とのコミュニケーションにおいて、「面接を通過させてください」という気持ちが前に出過ぎてしまうと、自己アピールから自立性や主体性が失われ、無意識のうちに面接官への同調的態度を示すようになってしまいます。
面接を通過したい、面接官に気に入られたいという気持ちから、面接官の型枠に自分自身を当てはめる、すなわち、一般的な言葉を使えば「媚びる」状態に陥ってしまいます。

しかしながら、応募倍率が100倍を越えることも珍しくない大学職員の公募採用において、多数の応募者の中でせいぜい数名の内定者に選ばれるためには、集団の中で「立った存在」になる必要があります。
唯一無二の存在、と言うと大袈裟かもしれませんが、英語的な意味での「ユニーク」な存在として面接官から認められなくてはなりません。
立った存在、ユニークな存在として存在感を示すためには、面接試験での発言や主張に見どころが感じられるということはもちろん、その前提として、一個人としての自立性や主体性を保持することが大切です。

大学職員の面接試験という一発勝負の場で「媚びない勇気」を持つことは大変なプレッシャーです。
しかしながら、いくら媚びて面接官に気に入られようと、それにより得られるのは不快でない程度の好感にすぎません。
面接官の心の中にある好感の度合いは一つではありません。「Sランク確定、猛プッシュ」レベルのお気に入りもあれば、なんとなく悪くないという程度の微妙な心境もあります。媚びて得られる好感というのは、その中でかなり低いレベルの好感でしかないということを理解する必要があります。
かつて柔道に「効果」というポイントがありましたが、効果をいくつ取っても一本には遠く届かないように、面接官に媚びて媚びて媚びまくっても、倍率100倍の採用試験での一本勝ちには程遠いと言わざるをえません。

嫌われる勇気

面接試験においては、面接官による当たり外れが少なからずあります。
外見的に厳しそうな面接官もいますし、圧迫面接や露骨な意地悪を仕掛けてくる面接官もいるでしょう。
言葉尻の些細な点で揚げ足を取られたり、評価するつもりもないことを根掘り葉掘り問いかけられたり、志願者の熱意に水を差す発言で話の腰を折られるケースもあると思います。

このような苦い経験を繰り返すうちに、面接官に迎合しようという気持ちが意識下で芽生えてきます。迎合というのは、上でも述べた「媚びる」態度の一形態です。
迎合的態度で面接に臨んだ場合、面接の目的である自己アピールよりもむしろ、面接官に嫌われない、減点されない発言に終始してしまいます。面接後に「特に失敗は無いけど、手応えも無い」と感じる場合、もしかすると面接への不安に飲まれ、迎合状態に引きずり込まれている可能性があります。

プロ野球の投手が思い通りの投球動作ができないことを「フォームの乱れ」と言いますが、基本動作が一度乱れると、元の感覚を取り戻すことは容易ではありません。
これは採用試験の面接においても同じです。意識下に迎合的態度が染み付くと、自己アピールのための基本動作が乱れ、いつしかそれが習慣化し、悪いフォームが体に定着してしまいます。
一度や二度の失敗ではなく、失敗の原因が固定化してしまうことが問題です。

そのうようなことにならないためには、面接官の言動に関わらず、自分のスタンスを貫く勇気、迎合しない勇気、すなわち「嫌われる勇気」を持つ必要があります。
面接官との対人関係による不安が悪循環につながるならば、いっそのこと、「嫌われてもいいんだ」というくらいに腹をくくってしまいましょう。嫌われることを恐れなければ、相手に合わせなければならないという強迫観念からも開放されるでしょう。

誰にでも迎合すれば、誰からも嫌われません。しかし、そのような不自由な生き方をしている人もいません。嫌われるということは、人生において決して不自然なことではない、だから必要以上に恐れてはいけない、ということです。

いまこの瞬間だけに向き合う勇気

大学職員の採用試験だけに限らず、就職活動や転職活動には様々な悩みや不安がつきものです。
たとえば、出身大学名での不利益(いわゆる学歴フィルタ)を受けたらどうしよう、前職を辞めた理由を詮索されたらどうしよう、といった悩み。また、不採用だったらどうしようという不安は誰にだってあります。
こうした不安で頭が一杯になると、志望動機がまとまらない、面接が怖くなる、といった行動面での悪影響にもつながりかねません。

もしもいま、このような状況にあるとしたら、就職試験で最高のパフォーマンスを発揮することはできないでしょう。
出身大学だとか退職理由などは過去のことであり、採用されるか否かは未来のことです。
過去を変えることなどできませんし、未来の不安をいま心配することも不毛です。
過去や未来のことを気にすれば気にするほど、いまこの瞬間への意識がボヤけるのは当然です。
そのような心理状態でベストな自分をアピールすることができるでしょうか。
過去の負い目を頭の片隅に置きながら、自分自身の魅力を語ることができるでしょうか。

人間ですから過去や未来が気になるのは当然です。
わたし自身、転職活動に落ち続け、大学最寄り駅の改札で自宅に引き返そうと思ったことすらあります。
しかし、過去や未来に関する悩みや不安を頭から追い出さないかぎり、そして、いまこの瞬間だけに向き合う勇気を持たないかぎり、目の前のハードルを全力で跳び越えることはできません。
目の前の現実のみに焦点を合わせれば、余計なものは目に入らなくなるはずです。

16.08.22 大学職員の人事考課 北里学園の事例を中心に

課長、お話したいことが。。。⇒ リクナビNEXT

働く業界や職種に関わらず、組織内での評価や処遇が労働意欲、すなわち働くモチベーションに直結することは言うまでもありません。
立身出世とは縁遠い大学職員の世界においても、毎春の異動シーズンともなれば、誰々が昇格したという話題が気にならないはずもなく、否が応でも自分自身の組織内評価というものを自覚することとなります。
そこで今回は北里学園の事例を中心に、大学職員の人事考課について考察してみたいと思います。

情報のソースは日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)のサイトから。

大学経営強化の事例集
http://www.shigaku.go.jp/jireishu_p082.pdf

人事考課制度の導入背景

同学園の人事考課制度は、大学を取り巻く環境の変化や、組織の硬直化などに対する人事担当常任理事の強い危機感を端緒として進められた。人事考課制度のスタートは平成16 年度であるが、以前より慣習として行われていた

人事考課制度のスタートが平成16年度ということで、大学の歴史の中では最近の出来事と言えるでしょう。
「以前より慣習として行われていた」というあたりが大学業界のノンビリしたところかと思います。慣習として行うということは、すなわち、何を理由に昇格させるという明文的な根拠が乏しいということです。大学教員においては論文件数などがプロモーション基準になっている場合が多いと思いますが、事務職員については定量的な評価基準を設けづらいという背景もあるのでしょう。

こうした状況でどのような昇格人事が行われるかというと、言うまでもなく年功序列が中心となります。上記の引用文に「組織の硬直化」とあるのは、まさにそのことです。人事担当常任理事でなくとも、これでは若手のモチベーションが上がらんだろうな・・・くらいのことは思いますよね。
ただし、フタを開ければ人件費抑制が主目的の人事制度改革もありえますので、働く側としては注意深く制度設計を確認することが必要です。

人事考課制度の内容

同学園の人事考課制度の目的は「組織の活性化」と「人材の育成」である。
人事考課制度は職位ごとに考課要素を定め、「能力」「実績」「情意」「目標達成度」の 4 つの側面から評価している。人事考課の結果は人事処遇、給与処遇、賞与処遇、ならびに能力開発・指導育成に結び付けている。

上記のとおり考課要素は4分類され、各分類の中に2~5項目の評価項目が設定されています。具体的にはリンク先の資料をご覧いただきたいと思いますが、おそらく定期的に自己評価シートのようなものを各職員が作成し、これに基づいて上長と面談を行う仕組みかと思われます。

そして、人事考課の結果として目を引いたのが、賞与支給率の数表です。賞与ランクは最上位のSから最下位のFまで7つのランクが設定されており、上位3%のSランクでは賞与支給率200%(2倍)、逆に、下位3%のFランクでは賞与支給率0%となります。

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ここで私見を述べさせていただくと、この賞与システムは「やりすぎ」ではないかと思います。営業職のように売上という明確な評価基準が無い大学事務職員において、どれだけ合理的な人事考課システムを設計したところで、結局のところ上長による情実人事を排除することはできません。もし私が北里学園の一職員であるならば、賞与が2倍になる期待よりも、上司の好き嫌いで賞与がゼロになる不安の方が勝るのではないかと思います。

人事考課制度の導入による効果

情報源である報告書によれば、北里学園の人事考課制度の導入効果について、効果と課題が2点ずつあげられています。それぞれ引用しつつ、内容を考察してまいります。

効果①:職員の育成、成長の機会提供の場
考課者と被考課者との目標設定面談、考課結果のフィードバック面談により、職員に気づきを与える機会となっている。面談では仕事の指示・命令、報告・連絡・相談という日常のコミュニケーションから離れ、考課者と被考課者が改めて仕事の内容、質、仕事観などを率直に話し合う場となっている。考課者は部下へ成長への課題を示し、部下は希望や意見を伝え、信頼関係を構築することにも役立っている。

人事考課制度に基づく上長との面談により、職員の育成及び成長機会となっている・・・という、一見すると非常にもっともらしい効果が謳われています。
しかし、実際はどうでしょうか。この文章を読む限り、人事考課制度の成否は上長の考課能力に依存しています。果たして、多くの部下をかかえる上長が、常日頃から部下のことを詳細に観察しているでしょうか?
管理職経験のある方ならご理解いただけると思いますが、極論してしまえば、上長にとって部下の能力など日常の関心事ではありません。部下が優秀であろうと、そうでなかろうと、現有戦力で日々の業務を乗り切らなくてはなりません。部下に点数をつけている余裕など無い、それが上長のホンネではないでしょうか。

効果②:インセンティブを与えている
人事考課結果を賞与に反映していることにより、職員の前向きな姿勢を引き出す刺激となっている。「仕事をしてもしなくても同じ」という悪しき平等感が薄れ、努力した点や仕事に必要な能力を評価されるという認識が広まりつつある。

人事考課結果を賞与に反映させるデメリットは前述のとおりです。さすがに賞与支給率0%は、全事務職員にとって恐怖でしかないでしょう。

課題①:トッププレーヤーのみが目立つ
人事考課制度導入以前から部門ごとにトッププレーヤー、いわゆる「仕事ができる者」が存在しており、その者ばかり目立ってしまう。反面、他のメンバーの底上げが進んでいない。考課者に部下育成の姿勢を強く持つことを期待している。

課題②:絶対評価と相対評価
人事考課制度は絶対評価を基本としているが、考課者によっては相対評価も見受けられる。絶対評価を基本としながら相対評価となっているジレンマがある。

課題として2点あげられていますが、根が同じ課題かと思います。
たとえば、同じ上長の下に2人の課員がいたとして、そのうち1人(A君)がスタープレーヤーだとします。このような状況で、もう1人の事務職員(B君)はモチベーションが上がるでしょうか。おそらくは否。「この部署にいるかぎり、A君と働いている限り、自分の評価が上がることはない」と腐ってしまうに違いありません。私自身、このようなシチュエーションを数多く見てきました。
もしも絶対評価が確保されるならば、A君の能力とは関係無しに、B君の能力も評価してもらえるでしょう。しかしながら、定量的な評価基準が無い状況において、どのように絶対評価を行うというのでしょう。結局のところ、誰かを基準とした相対評価を行わざるをえないということです。

所感として・・・あるべき人材育成とは

大学不況の環境下、事務職員の能力開発、すなわちスタッフディベロップメント(SD)の重要性がそこかしこで議論されています。さらに、経営基盤強化に向けた人件費圧縮も喫緊の課題となっており、これら2つの背景から事務職員の人事制度改革に関心を持っている大学は少なくないでしょう。

労働組合の強い大学業界において、賞与と連動した人事考課制度を導入すること自体、非常に高いハードルがあります。北里学園においてはそのハードルを跳び越えることができたという点で、法人執行部の権限や組織力の強さを感じました。

一方で、私個人の所感として、成果主義による人事考課制度が事務職員の人材育成につながるか、という点について、いささか問題点を感じざるをえません。
まず、評価されない側の心情については上で述べたとおりです。主観的評価基準による相対評価においては、部署異動などの環境変化が起こらない限り、評価の序列は固定化され、評価されない側のモチベーションは減退するばかりです。
また、スタープレーヤーは処遇が上がれば意欲も高まるでしょうが、どれだけ厚遇を続けても、人間の能力には限りが有ります。能力が上がるほどに、ご褒美の効果は薄れていくでしょう。成果主義による人事考課制度は、投資対効果の面においても問題があるのではないかと考えています。

どのような制度設計をしたとしても、人間に点数をつける方法では、少ない利益のために、より多くのものを失うように思えます。
わたしたち人間は、それぞれが競技の異なるアスリートのようなものです。それぞれが異なるルールで、異なるトラックを走っています。全ての競技に適用可能な採点基準はありませんし、同じ採点基準で評価しようとする試みは不自然です。その不自然を私たち人間は根源的に嫌うでしょう。

私個人の考え方としては、一人ひとりに多少の優劣があることは当然として、それよりも重要なことは、優れていると思われた人に隠れた(隠した)弱点があり、意外な人に意外な取り柄があるということです。
実際に日々の業務に取り組む中では、成果主義による人事考課制度の恩恵よりも、意外な人の意外な取り柄に救われた経験の方がより大きいのではないかと思っています。

16.06.12 大学職員の採用と働き方に関する一問一答集


大学職員の採用や働き方についての関心事項を一問一答形式でまとめてみました。

大学選びのポイント、選ぶにあたって確認した方がいいこと

安定性については偏差値で選べば間違いありません。もちろん大学ごとに特徴や強み・弱みはありますが、結果的に重要指標のほとんどが偏差値に比例します。裏返して言えば、就職先として地方小規模大学を選ぶメリットはほとんどありません。

大学職員の給与水準について

大学職員の給与水準はトップグループで35歳800万円台、2番手グループでマイナス50万から100万くらい、その下のグループは公務員より少し多めの550万から600万くらい、公務員の給与水準に準じている大学もあります。
トップグループはMARCH以上の一部の大学であり、なかなかの狭き門でしょう。2番手グループの中には偏差値40台の大学も少なくありません。

転職してくる人の年代や職業について

20代後半から30代中盤までが多いです。30歳以下を応募条件としている大学も多いので、転職するなら早めの方がよいでしょう。年齢構成の適正化を意図しての中途採用もあるため、年齢条件の指定が無い場合には必ずしも年齢がネックになるとは限りません。わたしの勤務校には40代後半で一般課員として転職してきた人もいます。
転職前の職業・業種は多種多様ですが、わたしの勤務校では営業職が比較的多いように思います。

金融機関で働いてた人が大学職員を目指すにあたって、アピールするポイント

難関大学・金融機関出身のような応募者は数が少ないので採用サイドとしては会ってみたい人材です。多数の応募者が殺到するような大学では、事務局幹部や人事担当者などの面接レーンに回してもらえる可能性もあるでしょう。
ただし、金融機関出身ということを前面に出し過ぎると、志望動機が小さ~くなってしまうと思います。業務効率化だとか収支バランスの改善だとか、「小技で攻める奴」だという悪印象を持たれかねません。業務遂行能力にはそれなりの自信があることでしょうが、お堅い業界の真面目な経験談を聞かされても、聞き手にとっては面白くも何ともありません。
むしろ、あまり具体的なスキルや経験などにフォーカスせず、夢のある話題へと広がるようなアピールを心掛けるべきです。面接官に「人間的にも面白い奴だ」と思われれば、内定はすぐそこでしょう。

中途採用だからこそ求められるもの

大学業界は教員も職員も中途採用が当たり前なので、中途採用だからといって必要以上に気負う必要はありません。改善・改革の意識はとても大切だと思いますが、まずは学内調整の仕方を覚え、教員・事務職員との信頼関係を構築していきましょう(身の程知らずと言われないために重要なステップです)。

大学によって違うと思いますが、休暇や平日のプライベート時間など

公休日の日数については公務員並みか、それ以上です。夏季や年末年始の休暇日数は大学によってかなりの違いがあります。
残業時間については、同じ大学でも部署による違いが大きいと思われます。わたしの勤務校で集計したデータによれば、入試や就職に関する部署の残業時間は突出しています。こうした一部の部署を除けば、繁忙期を除いて定時帰りも可能だと思われます。ただし、生活残業者との付き合い残業をしないことが前提です。

大学職員になって良かったこと、悪かったこと

良かった点・・・教育に関わる仕事はとても奥深いです。わたしは金融出身でしたが、小金持ちの小銭稼ぎを手伝う仕事には辟易していました。また、仕事上の拘束時間が少ないので、仕事と私生活を両立できると思います。

悪かった点・・・前職によると思いますが、わたしの場合は大幅に給料が減りました。ただし、それ以上に価値のあることとのギブアンドテイクなので、あながちデメリットとも思っていません。

16.06.03 大学職員の新卒採用倍率がとんでもないことになっていた

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いまや人気職種として定着した大学事務職員ですが、人気とともに採用倍率も高騰しています。
朝日新聞出版「大学ランキング2015」によれば、大学職員の新卒採用倍率のトップは学習院大学の367.0倍と突出しており、10位の法政大学以上はすべて100倍超えとなっています。

ランキング上位5大学は以下のとおり。なお、同書には35位までの新卒倍率ランキングのほか、中途採用倍率、自校出身者比率など、多くの参考情報が掲載されています。詳細データが必要な方は、在庫または電子版をお求めください。

1. 学習院大学:367.0倍

2. 明治学院大学:207.0倍

3. 多摩美術大学:123.0倍

4. 東京薬科大学:118.0倍

5. 中京大学:117.0倍
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10. 法政大学:100.0倍
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20. 名城大学:64.3倍
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35. 文教大学:42.1倍

なお、別の年度のランキングによれば、1位が128.9倍(京都産業大学)というデータもあります。採用者数の変動幅が大きい業界のため、たとえば5名増えたり減ったりするだけで、倍率もドカンと変わるのです。上記のデータを見て、学習院大学や明治学院大学を敬遠するのは早計かもしれません。

また、当サイトではこれまでにも、このような高倍率に対する受験時の心構えや対策について、考察を述べてまいりました。詳しくは下記リンクを参照いただきたいと思いますが、基本的には倍率はそれほど気にしなくてよいというスタンスです。

高倍率を気にするな
http://naiteiweb.com/souki/competition/

倍率以上に意識する必要があるのは、むしろ自校出身者比率でしょう。同じく朝日新聞出版「大学ランキング2016」によれば、2014年度の新規採用において、跡見学園女子大学、創価大学、同志社大学の3大学が、自校出身者比率100%となっており、ランキング29位の関西学院大学も52.6%と過半数を超えております。

とりわけ新卒採用で大学業界を検討される方は、中途採用に比べて選択肢が非常に多いため、これらのデータは候補の絞り込みに有効でしょう。