ES事例1-2(関西外大)

前回に引き続き、関西外国語大学を題材としたES作成実践例の第2回目。
エントリーシートの2つ目の記入項目「どのような貢献ができるか」について、さっそく解答例の全文から。

《解答例》

2.あなたが、関西外大で実現したい夢は何ですか。また、あなたはそれに対して、大学職員としてどのように関わっていくことができると思いますか。(400字以内)
貴学をはじめ外国語学系の大学・学部で学ぶ学生は語学修得に強い意欲を持つ一方で、大学の「出口」である就職活動に目を向けると、語学力を活かせる専門職採用が非常に少ないという課題があります。学生が未来に目を向けて語学を学ぶためには、キャリア形成に関する明確なビジョンと社会における十分な受け皿が必要です。私は実学としての英語教育をとことん追究し、教職やサービス業のみならず幅広い業種で活躍しうる高度職業人の育成と、社会における語学専門職のプレゼンス向上に貢献していきたいと考えています。
その実現に向けた自身の関わり方として、より骨太な教育カリキュラムの編成を支援していきます。例えば、「ミドル・マネジメント層」の育成を人材養成目的に掲げる英語国際学部では、社会学系の講義科目を配置するだけにとどまらず、英語によるドキュメンテーションや模擬会議などの演習科目を提案します。

《解説》
2つ目の記入項目では大学職員としてどのような貢献ができるかが問われているが、それに加えて「実現したい夢は何ですか?」という難しい問いかけが含まれている。それらを400字以内で書けというのだから、とにかく字数制限が厳しい。以下、文節ごとに記述の意図を解説する。

貴学をはじめ外国語学系の大学・学部で学ぶ学生は語学修得に強い意欲を持つ一方で、大学の「出口」である就職活動に目を向けると、語学力を活かせる専門職採用が非常に少ないという課題があります。学生が未来に目を向けて語学を学ぶためには、キャリア形成に関する明確なビジョンと社会における十分な受け皿が必要です。

字数制限が厳しいので文章構成は悩ましいが、「夢」を語る前に「問題意識」を述べてみた。まず問題意識に触れた上で、それに対する自身の夢を語るという流れ(ストーリー)を作る。
1つ目の記入項目(志望動機)の中で、「現在の私の関心は、語学教育そのものはもちろん、グローバル化に対応したキャリア形成と多様性に富む国際社会との共生、そのためのグローバル人材の育成です。」と記述したが、この部分を伏線として使う。
昨今、グローバル化という言葉が当たり前のように使われているが、英語人材の雇用環境(特に新卒)は必ずしも恵まれていない。学校教員を除くとCAやホテルなどのサービス業が受け皿になっている状況。サービス業における英語人材は、人材というよりは「口(くち)」という扱いである。
ちなみに、自身の中に問題意識を持っておくことは、面接対策としても重要である。「何がやりたいか(志望動機)」と「何故やりたいのか(問題意識)」は表裏一体の関係にある。問題意識がボヤけていると、志望動機が表面的なものとなってしまう。

私は実学としての英語教育をとことん追究し、教職やサービス業のみならず幅広い業種で活躍しうる高度職業人の育成と、社会における語学専門職のプレゼンス向上に貢献していきたいと考えています。

上記の問題意識を踏まえて、夢を語ってみた。従来の英語教育は文化的・文学的要素を重視してきたところ、実学(キャリア形成)的な面を追究することにより、英語人材の社会的地位の向上を図る、という内容。
卒業生に明るい進路を用意することは、学生のためにも、大学のためにも重要なので、夢とは言え地に足がついた主張だと思われる。

その実現に向けた自身の関わり方として、より骨太な教育カリキュラムの編成を支援していきます。例えば、「ミドル・マネジメント層」の育成を人材養成目的に掲げる英語国際学部では、社会学系の講義科目を配置するだけにとどまらず、英語によるドキュメンテーションや模擬会議などの演習科目を提案します。

文章の後半部分は、夢の実現に向けて、どのような貢献ができるか。前半部分が長くなってしまったため、かなり字数的にキツキツにならざるをえない。
関西外国語大学はすでにキャリア形成をかなり意識した学部・学科を設けており、教育目標に具体的なTOEICスコアを明示していたりする。
ただし、カリキュラム(授業科目)を詳しく見てみると、うわべだけのキャリア教育という印象を持った。たとえば、「ミドル・マネジメント層」の育成を人材養成目的に掲げる英語国際学部のカリキュラム(2015年度シラバス)を見てほしい。「グローバル・キャリア科目群」に属する授業科目は、すべてが講義科目となっている。経済分析やら会計学をそれぞれ半期2単位の講義科目で教えても、一般教養の域を出るものにはならないだろう。

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大学にとっては負担が増えるが、英語によるビジネスドキュメンテーションや模擬会議などを行う演習科目を設置するなど、もっとマジメにキャリア教育を考えるべき。
大学職員がカリキュラムに口を出すのは越権行為だと考える人も多いが、カリキュラムは大学にとっての商品そのものなので、より良いカリキュラム作りに能力を発揮することは、大学に対する大きな貢献だと思われる。

以上で全4回の2回目が終了。3回目に続く。

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